災害発生時の管理組合内での情報共有
いざ、災害が発生したときには、当面の間は「管理会社」などの外部からの助けはありません。自分たちのマンションは自分たちで守ることになります。そこで、まず必要となるのがマンション内での情報共有です。災害発生時には連絡手段を確保して安否確認・復旧対策についての連絡などを迅速におこなう必要があります。
復旧に向けた活動にも連絡先の共有は不可欠
災害時の対策がひとまず落ち着いたら、マンションの再建に向けて、区分所有者への説明や総会決議を得る必要があります。こうした手続きにおいては、区分所有者全員に対しての連絡が不可欠ですが、熊本地震の際には区分所有者全員との連絡に1ヶ月以上の期間を要した管理組合もありました。こうなってしまうと復旧までの道のりが遠のいてしまいます。
管理組合内での情報共有の方法
災害発生には一般電話回線の使用が制限されます。したがって、一般電話以外の多様な連絡手段を事前に準備しておくことが大切です。管理組合内で緊急連絡先名簿を作成して「携帯電話番号・メールアドレス」等の登録を行うことも重要ですが、過去の災害発生時には、電話だけでなくメールの遅延も発生し、WEBを利用した「Facebook」や「LINE」等のSNS が役立ちました。
管理組合内の情報共有にSNSは有効だが反対者も多い
マンション管理組合でのSNSの活用は、スマートフォンの普及や、昨今のコロナ禍の状況の中で注目を集めています。SNSは平時だけではなく災害発生時にも管理組合にとって強力なツールとなります。
しかし、管理組合においてこうしたSNSの活用は、まだまだ一部のマンションに留まっています。普及が進まない最も大きな原因にあげられるのは、こうしたSNSでの情報共有を「煩わしい」「面倒」といった理由で拒む住人が一定数いるということです。理事会でSNSの導入を検討段階で「住人アンケート」を実施すれば、かなりの割合で反対者がでるでしょう。
価値観はプライバシー重視の方向へ
プライバシーを重視する価値観への変化は、その是非はともかくとして今後もより一層進んでいくでしょう。マンション管理組合内も例外ではなく「マンション内で挨拶をしない」など、あまり他人との関わりを持たない住人は増えていくものと思われます。
災害共助SNS『ゆいぽた』の仕組み
そもそも「Facebook」や「LINEグループ」といった汎用的なSNSは、趣味や趣向のあった仲間との情報共有を主眼に設計されていることから、様々な価値観を持った方々が共存する管理組合での利用は考慮されていません。一方で、災害共助SNS『ゆいぽた』はマンション向けに「平常時には情報共有がされない」といった特徴を持っています。
平常時
情報は共有されずにSNSとしては機能しません。
災害発生時
災害が発生すると管理組合内でのSNSとして情報共有される
管理組合での導入のしやすさ
『ゆいぽた』の導入にあたって、マンションに新たな設備・工事は必要なく、各住人が所有するスマホやパソコン、タブレット端末で利用できます。導入に向けてのネックになるのが費用負担の問題ですが、導入費用は別途掛かりますが、その後のサービスの利用料は1戸あたり月額150円程度です。各管理組合毎に判断すべきことですが、安心を買ったと考えればそれほどの負担感は感じないでしょう。
高齢者や子供などスマホを持っていない方への配慮
こうした管理組合でのITツールの導入にあたっては、インターネットを利用できない方への配慮が求められます。災害共助SNS『ゆいぽた』の場合には、高齢者や子供などスマホが使えない方に対しても、QRコードを利用して安否確認をおこなう方法が用意されています。
総戸数100戸のマンションの導入費用
導入費用 (税別) | サービス利用料 (年額・税別) | 1戸あたり (年額・税別) | |
初年度 | 200,000円 | 180,000円 | 3,800円 |
2年目以降 | 180,000円 | 1,800円 |
1戸あたり月額 150円
※ 実際の料金は、マンションの条件によって異なりますので見積りの取得が必要です。
マンションならでは防災のメリット
災害発生時や復旧をスムーズに実施するためには、マンションの住人同士の理解や協力が不可欠です。こうしたツールを活用することで、集団で災害に対処することができるというマンション防災のメリットを最大限に活かすことにつながるのではないでしょうか。