ゴミ出しトラブルが発生する原因と対策
マンションでのゴミ出しトラブルが発生する原因として、24時間ゴミ出しが行えるマンションが多くなっていることやマンションの賃貸化などがあげれます。
原因1│ゴミ出しの時間が守れていない
ゴミ出しのルールは、マンション毎に決められます。時間指定があって「ゴミの回収日の前日の夜間から当日の回収時間まで」にゴミ出しを制限する場合や「24時間いつでも」ゴミ置場にゴミを出せるマンションもあります。
24時間ゴミ出しが可能なマンションは居住者の利便性は高まりますが、可燃ゴミや生ゴミの臭いがゴミ置場に充満する場合や、ハエやゴキブリなの害虫が発生することもあります。特にゴミ置場の真上の階や1階の住人は不快になり、理事会や管理会社へのクレームになるケースも多くあります。
解決1│掲示やポスティングでルールを啓蒙する
マンションの掲示板だけではなく、全戸へ書面でゴミ出しのルールについてポスティングして、改善を図ります。また、当日の朝にゴミ出しをおこなうようにゴミ出しのルールを変更することも有効です。いずれにしても、ゴミ置場の使用ルールは、管理規約や細則などに定めていないケースが多いので、新たに引っ越してきた方のルールを徹底するためにも、ゴミ出しのルールについて簡単な説明書を作成しておきましょう。
原因2│ゴミの分別が守られていない
マンションでのゴミの回収は、一旦居住者から出されたマンションのゴミ置場のゴミを管理人や清掃人が、清掃局のゴミ収集車の回収場所に運ぶやり方が一般的です。しかし、ルールに従ってゴミを分別していないとゴミ収集車がゴミを回収しないケースがあります。
このため、ゴミの分別が守られていない場合には、管理人がゴミ袋を一つ一つ開封して分別しなければなりません。管理人が分別のためにゴミ袋を開封して中身を確認すると住人から、プライバシーを覗かれたという誤解からトラブルに発展するケースもあります。また、開封作業により割れたガラスや怪我をする管理人もいます。
補足│ゴミの分別は管理人の仕事?
管理人が、業務範囲外であるゴミの分別などをおこなうことによって、結果として、管理人の時間が取られ、ゴミ置場の清掃や他の業務にも支障がでます。そもそも、各戸から出されたゴミ袋内の分別は管理会社の業務範囲外です。
- ゴミの分別は管理人の仕事ではない
- ゴミの分別は管理人の怪我につながる
- プライバシーの問題につながる
解決2│清掃局が発行しているゴミの分別方法の掲示
昨今では、ゴミの分別のルールは細分化されているので、簡易な注意文の掲示だけでは、居住者マナーは簡単には改善されないのが現状です。理事会では、各自治体や清掃局が配布している「ゴミの分別」についての張り紙などの資料をゴミ置場内に掲示したり、各戸へのポスティングなどをおこないましょう。
「分別されていないゴミを撮影して写真付きで掲示する方法」や「防犯カメラでゴミ出しのルール違反者を特定して注意するなどの方法」もありますが、住人同士のあらたなトラブルに発展することも考えられますので、こうした方法は、あまりおすすめできません。
原因3│粗大ゴミの不法投棄
ほとんどの地域で粗大ゴミの処分は、有料のシールを粗大ごみに貼って業者に回収してもらう方法です。しかし、居住者の引っ越しや大掃除のさいに、こうしたルールが守られずに、マンションのゴミ置場や駐車場などに不法に廃棄されることが問題になっています。
このような場合には、一定期間、掲示板で「粗大ゴミの不法投棄について正しい処分」をするように求めますが、それでも対処されない場合には、最終的に管理組合が費用を支払って処分せざるを得ません。
解決3│清掃局が発行している処分方法資料
ゴミの分別と同様に、理事会で、各自治体や清掃局が配布している粗大ごみの処分方法についてのポスターを掲示・配布などをおこなって居住者に粗大ごみの処分方法について再認識してもらいます。最近では日本語以外の掲示を用意している自治体も多くなっています。
この記事のまとめ
快適な暮らしを営めるマンションにするためには、居住者のマナーの向上が欠かせません。ゴミの分別を守らない方は、管理人がゴミの分別をすることが、当然の仕事だと考えています。実際には、各戸から出されるゴミの分別作業は管理会社や管理人の仕事ではありません。また、ゴミ置場が整然と清潔に保たれないと、ゴミが新たなゴミを誘いマンション全体の美観を損ねる事態になりかねません。
そして、マンションでの粗大ごみの不法投棄の問題は、マンションの住人が何らかの理由で一時的にそこに置いているだけなのか、外部から持ち込まれたものなのか判別しにくいのが厄介です。粗大ごみの処分費用は管理組合が負担することになるので、こうした事態を避けるためにはゴミ置き場に防犯カメラを設置する対策も有効でしょう。