マンション管理会社変更の現状
マンション管理会社のホームページには「管理会社を変更することで、今の管理費を削減します」といった謳い文句で自社にリプレイスすることを推奨しています。「マンション総合調査」によると、分譲時のマンション管理会社からリプレイスした管理組合が「20.9%」あり、管理会社をリプレイスするマンションもかなり増えていることがわかります。
もちろん、現行の管理会社から別の管理会社に変更することにはリスクも生じます。新しい管理会社が管理組合の注文に必ず応じられるかは不透明ですし、引き継ぎの問題もあります。また、管理会社の変更は、理事会にとっては大変な労力を要する仕事であって、その結果によっては、居住者から理事会に不満がぶつけられることもあります。したがって、マンション管理会社の変更は慎重に進めていくことが重要です。
管理会社変更(リプレイス)のメリットとデメリット
現行の管理会社と折衝を重ねても「管理委託費」や「サービス内容」の面で折り合わない場合には、現行の管理会社から新たに募集した管理会社へのリプレイスも選択肢のひとつとなります。しかし、管理会社を変更することは、理事会にとっては、多くの労力を必要とする仕事です。また変更後には、これまでとは少なからず違った管理の方法になるため住人が戸惑うことも多いでしょう。
新しい管理会社の仕事に満足するとも限らない?
実際に新しい管理会社に引き継がれてから、マンションの住人全員が新しい管理会社の業務に満足するわけではありません。管理会社を変更することには「メリット」と「デメリット」がありますので、リプレイスは、十分に理事会等で慎重に協議をおこなって進めていきましょう。リプレイスではマンション管理士等のコンサルタントの支援を受けるのも良い方法です。専門家に依頼することで新旧の管理会社の引き継ぎなども適切におこなうことが可能になるでしょう。
管理会社変更(リプレイス)の手順
- 検証管理会社を変更する理由を明確にする
管理会社を変更しても管理組合の期待に必ずしも応じられるかはわかりません。そのため、理事会では、管理会社の変更を検討する前に、まずは「本当に管理会社の変更が必要」であるかを冷静に検証する必要があります。
- STEP.1理事会で管理会社の変更(リプレイス)を検討
- STEP.2管理会社変更についての居住者アンケートを実施
- STEP.3アンケート結果を受けて理事会で審議居住者アンケートの結果などもふまえ、本当に管理会社の変更が必要と理事会で判断した場合や、管理会社から解約を通知された場合には、以下のような手順で管理会社の変更を検討します。
- STEP.4臨時総会で管理会社変更の基本方針の承認
- STEP.5現在の管理仕様が適切か理事会で協議
- STEP.6管理内容についての共通仕様書を作成
管理会社の変更(リプレイス)を検討する場合には、複数の管理会社から「見積り条件」や「書式」を統一して相見積りを取得します。
- STEP.7複数の管理会社から見積もりを取得
マンション管理会社の変更(リプレイス)を検討する場合には、複数の管理会社に見積り依頼をおこないます。
- STEP.8書類選考に合格した管理会社によるプレゼン会を実施
マンション管理会社の変更(リプレイス)を検討する場合には、複数の管理会社によるプレゼンテーション会を開催します。
- STEP.9理事会で新管理会社を内定するプレゼン会終了後、理事会でマンション管理会社を1社を選定し、マンション管理会社変更承認のための総会準備に移ります。
- STEP.10臨時総会で新管理会社の承認
マンション管理会社の変更(リプレイス)においては、管理会社の変更を審議するための臨時総会の開催が必要します。
- ポイント臨時総会で当日の対応
「管理会社変更のための臨時総会」では、現行の管理会社に全面的に協力してもらうことは難しいため、理事会が主体となって総会を進行していきます。
- ポイント解約通知書の送付
総会で「マンション管理会社の変更」が承認された時点で、現行のマンション管理会社に対して「解約通知書」を確実に送付します。
- STEP.10新旧の管理会社による引継ぎ
管理会社変更について総会で承認がなされた後には、新旧マンション管理会社による引継ぎの期間になります。