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マンションの排水設備

マンションの排水設備
マンションの排水設備は日頃、住人が目にすることがない隠蔽された部分にあるので、普段はあまり気にすることはありません。マンションの排水設備の役割は、日常的に発生する汚水を敷地の外へ速やかに排出することで、汚水や臭気を室内に拡散させないことです。排水管は定期的に清掃することで詰まりや漏水事故を避けることができます。今回はマンションの排水設備の役割と維持管理の方法について考えていきます。

概要
排水管清掃費用
排水管更新費用

マンションの排水設備の概要


マンションの排水「汚水」「雑排水」「雨水」

マンションの排水は「汚水」「雑排水」「雨水」に分類することができます。汚水(トイレ排水)、雑排水(台所、浴室、洗面室、洗濯機等の排水)、雨水(屋根、バルコニー等の排水)。

  • 汚水(トイレ)
  • 雑排水(台所、浴室、洗面室、洗濯機等)
  • 雨水(屋根、バルコニー等)

マンション排水では、まず、雨水は汚水や雑排水とは別系統で排水します。そして、汚水と雑排水と同一の排水系統で排出させる合流式と、汚水と雑排水とを別々の排水系統で排出させる分流式があります。いずれの場合にも、最終的には排水管を経て、公共の下水道に流れていきます。地域によっては、マンションの敷地内の浄化槽を経由して公共の下水道に放流する場合もあります。

  • 汚水 + 雑排水
  • 雨水
  • 汚水
  • 雑排水
  • 雨水

排水管清掃費用の目安


マンションの排水管清掃・洗浄にかかる費用は、マンションの築年数、排水管の構造、土日・夜間の作業の有無で価格は前後します。また、アフターサービスの内容によっても価格は異なってきます。

  • 小規模マンション排水管清掃は、1戸あたり4,000円程度
  • 中規模マンション排水管清掃は、1戸あたり3,000円程度

排水管清掃の必要性


マンションの排水管清掃は法定点検ではないため排水管清掃を実施するかは管理組合の判断によります。しかし、浴室、台所、トイレなどから流された油や汚物が流されるので、給水管と比較して詰まりすくなっています。排水管が詰まると悪臭の他、漏水などの深刻な事故も発生します。そこで、詰まりを防止するために、高圧洗浄による方法で排水管内についた汚れを、年に1度は定期的に除去することが必要です。
また、マンションで住戸が単独で排水管高圧洗浄をおこなっても内部で各住戸の排水管がつながっているので本来の効果は得られません。そのためマンションでは建物内の全ての住戸の雑排水管清掃をまとめておこなうのが原則です。

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マンションでおこなわれる排水管清掃は法的点検ではありませんが、「排水管の詰まり」や「悪臭」などのトラ […]

排水管の清掃方法

高圧洗浄方式では、高圧ポンプを装備した高圧洗浄車から耐圧ホースを通じて金属製のノズルから高圧の水を噴射することで水の勢いで排管内の汚れや付着物を除去する方式です。高圧洗をおこなう場合には、清掃のための掃除囗が必要となるので、未設置の場合には、掃除囗を新たに設置する必要があります。
また、排管の劣化が進んでいると高圧洗浄時に水圧で管に穴が開いて清掃作業中に漏水が発生することがあるので、はじめて高圧洗浄をおこなう高経年マンションでは注意が必要です。

リニューアル費用の目安


給排水管のリニューアルには、更新工事(取り替え)と更生工事(ライニング工法)がありますが、排水管の更生工事と更新工事では更生工事のほうがコストを抑えられます。

  • 排水管の更新費用は、1戸あたり50万円程度
  • 排水管の更生費用は、1戸あたり30万円程度

給水管と排水管は両方の老朽化の度合いを見極めながら同時に実施するのか検討が必要です。リニューアル費用はマンションの配管の素材や設置状況によって大きく前後しますが、専有部の給水管や排水管がコンクリートの中に埋められている場合には費用は高額となります。

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マンションでは竣年数が30~35年になると給水管や排水管の老朽化に伴う改修工事をこなう必要があります。給排水管が劣化 […]

マンションの排水管の改修の必要性

マンションの維持管理の中でも給排水関係の改修工事は、目視確認が難しいことや、工事期間中は各住戸内への立ち入りが必須であることから、住人の理解と協力が不可欠のため、多くの準備期間が必要となります。

マンションの排水管は給水管と同様に、時代により様々な種類の配管材料が使用されています。いずれの材料であっても、マンションの排水管にも寿命があります。劣化を放置しておくと、管の肉厚が薄くなることで穴があいて漏水につながります。

排水管の耐用年数は配管の材質にもよりますが概ね30~40年程度です。この時期になったら漏水事故が発生する前に、管内の劣化診断をおこない適切な修繕をおこなうことが大切です。調査結果をもって、更新工事で排水管を新しく取り換えるのか、更生工事で管を補強するのかを検討していく必要があります。

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