一定規模以上のマンションでは、消防法の規定で防火管理者を選任して消防署に届出をおこなう義務があります。しかし、多くの管理組合で苦労しているのが「住人から防火管理者のなり手」をさがすことです。
防火管理者とは
マンションでは万が一火災が発生したときを想定して、延べ面積500㎡以上、全体の収容人数が50人以上の場合には、防火管理者の選任が必要となります。防火管理者になるためには指定の講習を受け、資格を取得しなければなりません。防火管理者は「消防設備の維持管理」「消防計画の作成」「消防訓練の実施」のほか、防火管理に必要な業務をおこなう必要があります。
防火管理者が何も仕事しないケースも多い
住人の中から防火管理者のなり手がみつかっても、消防訓練の実施など、実際には防火管理者としての業務がおこなわれていないといった課題もあります。こうした状況で、万が一マンションで火災による被害が発生した場合には、管理組合の責任も問われかねません。こうしたリスクを管理組合や理事長が抱えている中で、費用を支払ってでも外部の専門家に防火管理者を委託する管理組合も増えてきました。
マンションの防火管理者は「住人」それとも「プロ」?
防火管理者のなり手を住人の中から何とかみつけて消防署へ届け出るだけでは十分ではありません。重要なことは「選任した防火管理者が防火管理者としての仕事をきっちりとこなすことです。マンションの住人が防火管理者になっても防火管理者としての仕事をしないのであれば、いっそのこと、プロにお金を支払って防火管理者になってもらうという選択をおすすめします。
その1住人が防火管理者に就任する
一定規模以上のマンションでは、防火管理者を選任して、消防署へ報告しなければなりませんが、住人から防火管理者の担い手を見つけるのは難しいようです。ハードルになっているのが、防火管理者資格を取得するためには、消防署が主に平日に開催する講習に2日間連続出席する必要があるからです。また、防火管理者に就任することで責任が生じることも嫌煙される理由のひとつです。防火管理者のなり手不足の問題は多くの管理組合が抱える共通の課題です。
その2防火管理者の外部委託サービス
マンションでの防火管理者の選任は理事長の義務です。ですから、防火管理者が「いない」「いても仕事をしない」といったことでは、いざ火事などが発生して被害が広がった場合には責任を問われるリスクがあります。住人で防火管理者の仕事が務まらないのあれば、いっそのこと専門業者に外注することをおすすめします。昨今では、防火管理者を外部の専門家に委託するやり方は、管理組合だけではなく、雑居ビルやワンオーナー物件でも一般的になっています。