マンションのエレベーターはマンションでの生活に欠かすことのできない大切な設備です。エレベーター設備に万が一故障が発生すると大きな事故にもつながるため、日常の点検をしっかりとおこなって安全を確保することが重要です。また、管理組合の支出の中でもエレベーターの保守点検に必要となる、毎月のコストやリニューアル費用は大きな割合を占めます。したがって、エレベーターの維持管理は管理組合にとっても重要な項目のひとつです。
エレベーターの仕組み
保守点検
マンションのエレベーターの仕組み
エレベーターはロープ式と油圧式がありますが、昨今のマンションではロープ式が採用されていることがほとんどです。また、新築マンションでは、シャフト内に機械を設置することができる機械室レス型エレベーターが普及していますが、築年数の経ったマンションでは屋上部分に機械室が設置されていることもあります。
エレベーターの構造
マンションのエレベーター設備には、機器の構成としては、乗客を乗せるカゴ、カゴを移動させるためのロープやガイドレール、巻上機、つりあい重りや、安全装置としての各種プレーキ類などからなります。
エレベーターの安全対策
近年ではエレベーターをより安全に運転させるための装置として、地震時や停電時に最寄り階に着床させる装置や、カゴ内の防犯カメラ、扉部分の防犯窓、車椅子対応の操作パネルや手すり、鏡などを設けることが多い。
エレベーターの点検・メンテナンス
エレベーターは保守管理が極めて重要ですのでエレベーターメーカーとメンテナンス契約を結びます。保守点検の回数は契約内容にもよりますが、遠隔点検も含め、通常毎月おこなわれます。
メンテナンス契約の種類
メンテナンス契約の種類は、部品交換や修理を含め包活的に保守を行う「フルメンテナンス契約」と、点検と消耗品交換のみを契約し、部品交換や修理は別料金となる「POG契約」に大別される。
POG契約・フルメンテナンス契約比較表
POG契約 | フルメンテナンス契約 | |
点検・給油・調整 | 〇 含む | 〇 含む |
消耗部品の交換 | 〇 含む | 〇 含む |
部品の修理・交換 | 〇 含む | × 別途料金 |
遠隔監視装置 | △ 独立系の場合 対応できない場合あり | △ 独立系の場合 対応できない場合あり |
本体交換・改修工事 | × 含まれない | × 含まれない |
エレベータ―の点検費用の目安
エレベーターのメンテナンスを専門とする独立系のメンテナンス業者に変更すれば保守点検費用を削減することが可能です。 点検回数等によっても異なりますが、独立系のメンテナンス会社(エス・イー・シーエレベーター、ジャパンエレベーターサービス等)の 保守点検費用は、フルメンテナンス契約では1台につき月額3~4万円、POG契約の場合には2~4万円程度です。 メーカー系のメンテナンス会社(三菱・日立・東芝・オーチス・フジテック等)より点検費用は下がります。