分譲マンションを購入すると毎月必ず支払っている「管理費」と「修繕積立金」を毎月支払うことになります。しかし購入時から見直さずにいるケースが多いようです。マンションの価値に影響する「管理の質」を重点に置いた上で適正価格を検討してましょう。今回は、マンション管理組合の管理コスト削減について考えていきます。
マンション管理組合の3大コスト
マンション管理組合に毎月支払っている「管理費」と「修繕積立金」。この内「管理費」は管理組合がマンションを日常的に管理していくための費用にあてられます。
管理組合は区分所有者から集められた合ったお金で運営されているわけですから、お金の使い方はどこの管理組合にとっても、例外なく重要なポイントになります。組織というものはお金の使いみちがきちんと明らかにされていることが重要ですが、この点では管理組合も例外ではありません。
具体的なお金の使いみちは管理会社に支払う「管理委託費」のほか、建物にかける「火災保険」、共用部分の「電気代」などがあげられます。以上の3つは管理コストの中でも特に大きな比率を占めています。
管理会社への支払い
管理委託費とは管理会社への支払いのことです。管理費会計からの支払いの中で最も大きな割合を占めるのが、この管理委託費です。従って管理委託費の額を下げることで、管理費からの支出を大幅に削減することが可能です。
管理コストの内訳
管理組合の管理コストの内訳は定期総会などに添付される決算書(収支計算書)で確認することができます。この収支計算書を確認することが、管理組合が支払っている無駄なコストを把握するための第一歩となります。
収支計算書(令和2年度)
〇〇マンション管理組合
科目 | 予算 | 実績 | |
収入 | 管理費 | 8,934,000 | 8,934,000 |
駐輪場使用料 | 150,000 | 150,000 | |
雑収入 | 0 | 27,832 | |
合計 | 9,084,000 | 9,111,832 | |
支出 | 1.管理委託費 | ||
事務管理業務費 | 867,600 | 867,600 | |
管理員業務費 | 3,078,000 | 3,078,000 | |
定期清掃費 | 120,000 | 120,000 | |
巡回点検費 | 144,000 | 144,000 | |
雑排水管清掃費 | 290,400 | 290,400 | |
植栽管理費 | 152,400 | 152,400 | |
エレベーター保守費 | 816,000 | 816,000 | |
消防設備保守費 | 132,000 | 132,000 | |
自動ドア保守費 | 96,000 | 96,000 | |
24時間設備監視費 | 300,000 | 300,000 | |
2.変動経費 | |||
電気料金 | 1,100,000 | 985,869 | |
水道料金 | 20,000 | 18,222 | |
通信費 | 40,000 | 36,246 | |
火災保険料 | 328,500 | 328,500 | |
防犯カメラリース料 | 243,180 | 243,180 | |
消耗品費 | 150,000 | 131,019 | |
合計 | 7,878,080 | 7,739,436 | |
【当期収支残高】 | 1,205,920 | 1,372,396 | |
【前記繰越残高】 | 3,802,853 | 3,802,853 | |
【次期繰越残高】 | 5,008,773 | 5,175,249 |
管理コストの割合
マンションは様々な価値観を持った方の集まりなので、同じ金額の支出であっても、ある人にとっては無視できない大きさとなり、また別の人にとっては必要経費だと感じたりするものです。そうした受け取り方の違いを超えてなおこれだけの費用がどうしても必要だということをすべての区分所有者に納得してもらうことが重要です。
この記事のまとめ
現在の管理コストが適正かどうか査定したことはありますか?「管理委託費」「火災保険料」「電気料金」など、管理組合の運営では年間で相当なランニングコストがかかっています。しかし、その金額が前年度と同等であれば、多くの管理組合では何の疑問も抱かないようです。たしかに管理組合が自分たちで適正なコストを査定するのは難しいと思いますが、管理コストはこれから永続的にかかる費用ですので、外部のコンサルタントなどに依頼してでも、適正な価格を把握してコスト削減を実現しましょう。