マンションは犯罪者に狙われている
マンションは建物が頑丈でオートロックなども設置されているので安全だと思われがちですが、侵入者に対しては必ずしも安全とは言い切れません。令和元年の都内での侵入窃盗の発生状況をみると「4階建て以上の共同住宅が7.8%」「3階建て以下の共同住宅は15.5%」、『共同住宅合計では23.3%』にもなります。そこで、犯罪の抑止力として、今では多くのマンションに防犯カメラは標準装備されています。
認知症の方の徘徊捜索にも有効
昨今、分譲マンションでは住人の高齢化などの影響もあって、認知症の方の徘徊が問題になっています。防犯カメラの設置は、認知症の方が徘徊した場合の捜索にも効果を発揮します。
古い防犯カメラは性能が低いので更新の必要性あり
防犯カメラの性能は飛躍的に向上して、夜間の暗い場所や逆光になった場合でもかなり鮮明に録画できるものが安価に手に入るようになってきています。防犯カメラが竣工時から更新されずに古いままだと、いざ録画映像の確認が必要になった際に映像が不鮮明であったり、録画期間が短時間で録画されていないといった事になりかねません。
防犯カメラの後付けも容易になった
昨今では、管理室にレコーダー等の機器の取り付けスペースのない小規模なマンションにも取り付けられるタイプの防犯カメラ装置も出てきました。これにより防犯カメラが設置されていない築年数の経ったマンションでも比較的簡単に防犯カメラを後付けできるようになっています。
最初から更新していない場合には値段が著しく高い場合も
マンションが完成した当時から防犯カメラの契約見直しを管理組合でおこなっていない場合には、著しく高額な契約となっている場合があります。「管理会社と管理組合」もしくは「防犯カメラ会社と管理組合」の契約内容を見直して、より安価な業者との契約に切り替えることも重要でしょう。
分譲マンションでは、防犯カメラ装置の買取ではなく、レンタルもしくはリース契約を利用することが多いでしょう。買取の場合には、レンタル・リースよりも割安で機器の調達が可能ですが、故障時には修理費用が発生します。管理組合の理事の業務負担を軽減するためには、やはり買取よりもレンタルやリース契約の方が望ましいでしょう。
レンタルとリースの特徴
防犯カメラの「レンタル」と「リース」の大きな違いは、レンタルは原則として、保守料が含まれおりレンタル料以外の費用が一切掛からないことです。リースはレンタルより割安ですが、原則として機器が故障した場合には修理費用が発生します。
レンタル | リース | |
途中解約 | できない | できる |
保守契約 | 含む | 含まない |
料金 | 高い | 安い |
保守料が含まれており、故障時に費用が掛からない。 レンタル料以外一切費用が掛からない。 | 保守料が含まれていない為、レンタルより割安。 故障時には修理費用が発生する。 |
注意 契約内容によってレンタルとリースの特徴は異なってきます。
防犯カメラ業者の選び方
防犯カメラやレコーダーは、野外に設置されることも多く比較的故障の多い機器です。ですから月額費用に、万が一機器にトラブルが発生した際の「部品の交換費用」「作業費」が含まれているのか業者毎に比較が必要です。また、年に一回程度は「動作確認・ピント調整・清掃」等などをおこなう定期点検が必要になるので、そのあたりの対応も要確認です。
また、分譲マンションならではの特性としては、防犯カメラの導入にあたっては理事会や総会で、業者によるデモや説明などが必要になってくるので、分譲マンション管理組合への導入実績が豊富な業者の方が望ましいでしょう。
防犯カメラ運用細則
分譲マンションでの防犯カメラの運用では「録画映像を閲覧する場合」や「警察などから録画映像の提出の要請があった場合」の『防犯カメラ運用細則』を事前に定めておく必要があります。ルールの制定にあたっては、防犯カメラにより24時間監視されるという不安を持つ住人もいるため、プライバシー保護にも十分な配慮が必要です。
この記事のまとめ
防犯カメラは窃盗犯を捕まえるだけの役割ではなく、犯罪を防ぐための大きな抑止力になります。また、今後はマンションの住人の高齢化も益々進んでいくため、防犯カメラはマンションにとって必要不可欠な設置となっています。
防犯カメラは、ついていれば安心となってしまいがちですが、機器が古くなって、実際に録画映像をみる段階になって、録画されていないといったことになりがちです。
防犯カメラのリースやレンタル契約を見直すことで、最新の機器に更新できる上に費用負担も削減されることも多いので、管理室等に設置してある防犯カメラ装置を理事会等で一度確認してみることも必要でしょう。