マンションの使用細則とは
使用細則とは、管理規約にもとづいて設定されるマンションの共同生活をおこなう上での細かなルールのことです。規約には記載しきれない「マンション内での細かなルール」例えば「ゴミの分別」や「駐輪場の使用方法」などを定め、マンションでの共同生活を円滑化する役割があります。
標準管理規約(使用細則)
第18条 対象物件の使用については、別に使用細則を定めるものとする。
管理規約と使用細則の関係
使用細則は、管理規約の委任に基づくものですので、効力は管理規約の下になります。即ち、管理規約の定めに反するような事柄を使用細則で定めることはできず、そのような定めをしても無効です。
使用細則で定める事項
使用細則は、これまで説明してきたとおり管理規約とは別に作成される共同生活の詳細なルールですが、マンションの使用細則として「ひとつの細則にする場合」「目的ごとにそれぞれの細則をつくる場合」があります。
標準管理規約コメント(抜粋)
第18条関係
使用細則で定めることが考えられる事項としては、動物の飼育やピアノ等の演奏に関する事項等。
なお、使用細則を定める方法としては、これらの事項を一つの使用細則として定める方法と事項ごとに個別の細則として定める方法とがある。
使用細則は、前述のとおり共同生活を円滑に行うための建物の使用方等にについて、詳細かつ具体的な事柄を定めたものです。たとえば「○時から○時までピアノの演奏をしてはならない」とか「ゴミは当日の朝○○までに○○の場所に出す」といったように具体的なことを定めます。
人によって受け取り方がまちまちだったりする曖昧な表現を用いると解釈の違いからトラブルに発展する恐れがあるので注意が必要です。
- 駐車場使用細則
- ペット飼育細則
- 来客用駐車場使用細則
- 居住者名簿の取扱い細則
- 防犯カメラ運用細則
- 集会室使用細則
- マンション専用庭使用細則
使用細則は普通決議
使用細則の「作成」や「変更」が、管理規約の内容の変更に該当しなければ、原則的には「総会の普通決議」によって変更することが可能です。なお、管理規約の変更には、総会の特別決議(区分所有者の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上)が必要です。
この記事のまとめ
使用細則では「ゴミ置場の使い方」「ペットの飼育ルール」「リフォームの制限」といった「マナー」や「ルール」を定めます。共同生活の場でトラブルを予防するためにも、必要に応じて適宜、使用細則を作成・変更していくことが重要です。
注意が必要なのは、使用細則の効力は管理規約より下であり、また、区分所有法や他の法律に違反することはできません。
したがって、使用細則の内容が管理規約や区分所有法の定め、他の法律に違反する場合は、使用細則の定めは無効となります