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総会での決議事項は重要度に応じて「普通決議」と「特別決議」に分かれている

マンションの総会の普通決議の特別決議管理組合向け
管理組合向け
マンションの総会での決議事項は、その重要性に応じて「普通決議」と「特別決議」に分かれています。今回はその2つの決議事項について学んでいきます。

総会の決議事項(普通決議と特別決議)とは


マンション管理組合の総会では、議案を議決する際に、通常の議案について過半数の賛成により可決することを「普通決議」、特に重要な議案については、4分の3以上の賛成などの特別多数の賛成により可決することは「特別決議」と呼んでいます。総会での決議事項の種類は、以下の2種類です。

総会での決議事項1│普通決議

普通決議の成立要件は規約に別段の定めが無い限り過半数(出席組合員の議決権の過半数)です。

区分所有法等に定める普通決議事項の例

必要な定数普通決議事項区分所有法根拠条項補足
規約に別段の定め
が無い限り過半数
(出席組合員の
議決権の過半数)
共用部分の管理に関する事項(変更及び保存行為を除く。)法第18条第1項本文規約で、総会の決議以外の方法
(理事会など)で決することを
定めることができる。
( ただし、特別決議に係る事項
(共用部分の変更など)を除く。)
区分所有者の共有に属する敷地または附属施設の管理に関する事項(変更及び保存行為を除く。)法第18条第1項本文法第21条
管理者の選任・解任法第25条第1項
議長の選任法第41条
管理組合法人の理事及び監事の選任・解任並びに任期法第49条第5項から第8項まで、
法第50条第4項
法第25条第1項
管理組合法人の事務法第52条第1項本文
議長の選任法第41条
小規模一部滅失の場合の復旧法第61条第3項
共同利益背反行為の停止等の請求の訴訟の提起法第57条第2項、第4項必ず、総会での決議によらなけれなならない。
法第57条から第60条までの訴訟追行についての管理者等に対する訴訟追行権の授権法第57条第3項、第4項
法第58条第4項
法第59条第2項、
法第60条第2項
管理者に対する訴訟追行権の授権法第26条第4項規約で定めることができる。
管理者がいない場合の規約、議事録、書面・電磁的方法による決議に係る書面・電磁的記録の保管者の選任法第33条第1項ただし書
法第42条第5項
法第45条第4項
理事が数人ある場合の代表理事の
選任又は共同代表の定め
法第49条第5項
共用部分の変更
(建築物の耐震改修の促進
に関する法律第25条第2 項
に基づく認定を受けた建物
の耐震改修)
建築物の耐震改修の
促進に関する法律
第25条第3項

総会での決議事項2│特別決議

特別決議は、重要な案件を決議するために成立要件は普通決議よりも厳しくなっています。成立要件は区分所有者及び議決権総数の3/4以上の賛成が必要になります。(※なお、建替え決議等については、5分の4以上の賛成が必要になります。)
ここで言う区分所有者の数は、一人で複数の住戸を所有している場合は一人(数人で一つの専有部分を所有している場合も同様)として数えた区分所有者の人数で四分の三以上の賛成を必要とします。
議決権は、区分所有者の有する専有部分の床面積の割合とするのが原則ですが、管理規約で、たとえば一住戸一議決権とすると定めがある場合にはそれに従って、このようにして数えた議決権数で四分の三以上の賛成が必要です。
区分所有者も議決権も、総会に出席した区分所有者の人数と議決権を基準にするのではなく、全区分所有者のそれを基準にします。

区分所有法等に定める特別決議事項の例

(左右にスクロールします)

必要な定数特別決議事項区分所有法根拠条項補足
区分所有者及び
議決権総数の
3/4以上
共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの( 建築物の耐震改修の促進に関する法律第25条第2項に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)を除く。)法第17条第1項規約により、
区分所有者の定数は
過半まで減ずることが可能
区分所有者の共有に属する敷地又は附属施設の変更法第21条
法第17条第1項
規約の設定・変更・廃止法第31条第1項法で定める議決要件を緩和することはできない
管理組合法人の成立法第47条第1項
管理組合法人の解散法第55条第1項第3号、第2項
共同利益背反行為をした区分所有者に対する専有部分の使用禁止の請求法第58条第1項、第2項
共同利益背反行為をした区分所有者に対する区分所有権の競売請求法第59条第1項、第2項
共同利益背反行為をした占有者に対する引渡請求法第60条第1項、第2項
大規模一部滅失の場合の復旧法第61条第5項
4/5以上建替え決議法第62条第1項
マンション敷地売却決議マンション建替法第108条

総会の議案には、「特別決議事項」と「普通決議事項」の区別を明確に示すことが望ましいでしょう。

この記事のまとめ

普通決議と特別決議で特に混同しやすいのが「使用細則」と「管理規約」の改定です。使用細則は、普通決議ですが、管理規約の改定は特別決議が必要です。
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