マンションは完成した時から劣化がはじまるため定期的な修繕工事が欠かせません。そのため、管理組合では将来どの程度の費用を必要とするのか長期修繕計画を作成します。それを基に各区分所有者が毎月いくら資金の積み立てが必要であるかを算出した上で、各住戸毎に按分して設定された金額を毎月管理組合に収める資金を修繕積立金と呼んでいます。今回は将来の計画修繕に備えて積み立てておく修繕積立金の必要性について学んでいきます。
建物の経年劣化は避けられない
マンションの劣化現象は、施行・材質、立地条件等によって差がでてきますが、すべてのマンションにおいて避けることのできないものです。この劣化の進行を防ぎ、マンションの寿命を延ばしていくことが管理組合に課せられた役割です。
劣化現象は、徐々に進むので、最初のうちは気になりませんが、経年とともに塗装面が汚れたり、鉄部に錆が生じるなどして、マンションの住人誰もが気になるようになります。
さらに劣化を修復しないで年数を経過すると壁面の亀裂から雨漏りが発生したり、水道から赤水がでるなど、生活に支障が生じるようになります。
計画修繕と修繕積立金の必要性
このような事態にならないように、管理組合は管理費によって建物の日常の維持管理をする他に、長期的な視野にたった計画的な修繕をおこなっていかなければなりません。
計画的な修繕のことを、計画修繕と称していますが、これに該当するものには、屋上防水、外壁のタイルの補修や塗装、給排水管の取り換え工事、鉄部塗装工事などがあります。その他、 設備のオーバーホールや取り替えなども計画修繕に含まれます。
こうした工事を12~15年といった周期である程度まとめておこなう工事を大規模修繕工事と呼んでいます。
この記事のまとめ
管理組合で修繕積立金が不足したまま、大規模修繕工事の実施時期を迎えた場合には不足分を一時負担金や借り入れなどの方法によって補うこともあります。
しかし、理想としては毎月各居住者が収める修繕積立金で賄うことです。数年ごとに長期修繕計の見直しをおこない、必要があれば修繕積立金の値上げなどの対策をおこなうことが重要です。
しかし、理想としては毎月各居住者が収める修繕積立金で賄うことです。数年ごとに長期修繕計の見直しをおこない、必要があれば修繕積立金の値上げなどの対策をおこなうことが重要です。