マンション管理組合の役員(理事)のなり手不足が深刻化しています。管理組合で役員のなり手不足の問題がある場合には、管理組合の役員の資格要件を変更して間口を広げることも有効な方法です。区分所有法では、管理組合役員の資格に制限はないため管理規約を改正することにより役員になれる範囲を拡大することができます。今回は役員の資格要件を拡大して理事のなり手不足を解消する方法について考えていきます。
役員資格は居住する区分所有者としていマンションが9割
国土交通省が実施した調査によると、管理規約において選任できる役員の範囲は「居住の組合員」が97.1%、「居住組合員の同居親族」が25.0%、「居住していない組合員」が21.4%、「賃借人」が3.0%となっています。居住の区分所有者を役員の資格要件としている管理組合が9割を超えていますが、この範囲を広げることで役員のなり手の確保を目指します。
管理規約を改正して役員の範囲を広げる
大多数の管理組合の管理規約では、役員の資格として「現に居住する組合員のうちから」と規定されています。理事のなり手不足の場合には、役員の資格要件を緩和して「現に居住する組合員のうちから」を「組合員のうちから」にするのもひとつの方法です。更に、区分所有者(組合員)からの選出するのが困難な場合には「区分所有者の家族も含む」と制限を緩和することもできます。なお、規約の変更は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による総会の決議によっておこなう必要があります。
標準管理規約(役員)第35条
2 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。
役員の資格要件の緩和例
役員資格には、賃貸人等の占有者などを追加することもできますが、役員資格をどこまで広げるかは慎重に検討する必要があるでしょう。賃貸人が理事になった場合には組合員の利益に相反する理事会運営がなされる可能性があります。
- 現に居住する組合員 ⇒ 組合員のうちから
- 組合員の「配偶者」「成年者である一親等の親族」を追加
この記事のまとめ
区分所有者の「高齢化」や「賃貸化」などの事情により、管理組合の役員(理事)のなり手をみつけることが困難になっているマンションが増えています。こうした管理組合では役員の資格制限を緩和することにより、なり手を確保する方法があります。
区分所有法では、役員(理事)資格に制限はないため、管理規約を変更することによって役員の範囲を広げることができます。例えば「現に居住する組合員」を「組合員」に変更したり、「配偶者や親子」などを追加することも可能です。このように役員の制限を緩和することは、役員(理事)のなり手不足を解消するための有効な方法です。
区分所有法では、役員(理事)資格に制限はないため、管理規約を変更することによって役員の範囲を広げることができます。例えば「現に居住する組合員」を「組合員」に変更したり、「配偶者や親子」などを追加することも可能です。このように役員の制限を緩和することは、役員(理事)のなり手不足を解消するための有効な方法です。
マンション管理組合
マンションの管理は管理会社がするものと思ってい方も多いようですが実はそうではありません。マンションの管理をおこなうの […]