大規模修繕に関わる組織(内部・外部の専門家)
ほとんどの管理組合、区分所有者の間で、マンションの維持・保全のために大規模修繕工事は必要という認識は、共有化されています。一方で、管理組合がおこなう大規模修繕に関する共通の問題として、住民の中に専門知識を持っている者が少なく「施工業者をどうやって選ぶか」「どの部位の修繕が必要か?」といった点にあります。工事の検討から完成までに乗り越えなくてはならないプロセスは多数あり、当然、専門的な知識が必要となります。そこで、管理組合をサポートしてくれるコンサルティング会社等のパートナーが切実に求められています。
■ 理事会
管理組合の「理事会」の最も重要な役割のひとつが大規模修繕工事の実施です。理事会メンバーに専門家が含まれない場合には、大規模修繕工事の準備段階で「建築について知識のある方」を理事会のメンバーに募集するなどの対応が望ましいでしょう。
■ 修繕委員会
理事会に専門家がいない場合や、理事の任期が1〜2年で継続性に難がある場合には、理事会の諮問機関として「修繕委員会」を設立する方法もあります。修繕委員会は工事の準備段階から竣工まで2年程度の期間、理事会のアドバイザーとして大規模修繕工事を推進していきます。
■ 管理会社
日常業務を依頼している「マンション管理会社」も大規模修繕工事に関わってきます。大規模修繕工事の施工を管理会社に任せるかは、管理組合の判断に委ねられていますが、仮に工事は任せないとしても日常業務を委託している以上、大規模修繕工事の期間中は管理会社との調整が必要となります。
■ コンサルタント会社
大規模修繕工事の「コンサルタント会社」は、建物診断や修繕計画の作成、施工会社の選定に関する各種支援をおこないます。管理組合が大規模修繕工事を進める上で重要な役割を担っています。またコンサルタント会社に工事監理を依頼し、工事内容のチェックを担うこともあります。
■ 施工会社
現場で修繕工事をおこなう会社のことです。マンションの大規模修繕工事は新築工事とは異なり居住者が在宅したまま進行するため「防犯対策」や「居住者への配慮」が欠かせません。そのため施工会社の選考にあたっては、マンションにおいての工事実績や専門性が重要となります。