問31
甲管理組合の総会終了後、議長が議事録を作成したが、議長が総会で指名した議事録署名人の一人Aが修正の必要があるとして署名押印を拒否した。この場合におけるB~Eの各理事の意見として、区分所有法、標準管理規約及び民法の規定によれば、適切なものは、次のうちどれか。ただし、電磁的方法が利用可能ではない場合とする。
1 B理事「議事録の作成権限は議長にありますから、Aの修正要求の内容にかかわらず、応じる必要はないと思います。」
2 C理事「総会で議事録署名人に指名した以上、Aの署名押印がないと議事録そのものが無効となりますよ。」
3 D理事「議事録の作成期限は決まっていないので、時間がかかってもAが折れるまで、議事録の作成を見合わすべきでしょう。」
4 E理事「Aの署名押印を得られないからといって、議長が議事録を作成しないときは、過料に処せられることもありますよ。」
- 解答
- 4
問32
管理費等を滞納している区分所有者に対する管理組合の対応について、理事長が総会で行った次の説明等のうち、標準管理規約、区分所有法及び民法の規定によれば、適切なものはどれか。
1 滞納している区分所有者が所有している住戸が賃貸に供されている場合には、その住戸の賃借人に対して、直接、滞納管理費等を請求することとします。
2 理事会決議により、理事長が、管理組合を代表して、滞納管理費等の請求に関して滞納者に対して少額訴訟を提起したので、その状況、当該滞納者の氏名に代わる符号、その滞納額、滞納状況等を報告します。
3 管理費等の滞納は、共同の利益に反する行為に該当するので、滞納しているすべての区分所有者に対して、区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することとします。
4 現に駐車場を使用している滞納者に対しては、駐車場使用細則を改正し管理費等の滞納があれば駐車場使用契約を解除できるという条項を新たに設け、駐車場使用期間中であっても駐車場使用契約を解除することとします。
- 解答
- 2
問33
住居・店舗併用のマンションにおける店舗の営業時間の制限と住宅一部共用部分であるエレベーターの更新を決議する総会の場に、理事会の要請により出席していたマンション管理士が、議長である理事長からの求めに応じて助言した次の記述のうち、マンション標準管理規約(複合用途型)の規定によれば、適切でないものはどれか。
1 区分所有者から専有部分を賃借して営業をしている賃借人が、事前の通知もなく総会に出席して店舗の営業時間の制限について、意見を述べようとしたので、「事前の通知がない以上、意見を述べさせる必要はありません。もちろん決議に加わることもできません。」と助言した。
2 数人の共有に属している店舗につき、あらかじめ届け出があった議決権行使者以外の共有者が店舗の営業時間を制限する議案について議決権を行使したので、「共有者である以上、有効な議決権の行使として取り扱ってください。」と助言した。
3 住戸の区分所有者から、住宅一部共用部分であるエレベーターの更新については、住戸部分の区分所有者のみで構成する団体の集会で決議すべきではないかと意見があったので、「当該エレベーターについては、規約の対象となる物件となっているので、当総会で決議することとなります。」と助言した。
4 総会の場において、ある区分所有者から、住宅一部共用部分であるエレベーターの利用細則が利用の実態に合っていないとして、改正案を提示して同案を決議するよう求められたので、「あらかじめ招集通知で通知していた事項ではないので、決議はしないでください。」と助言した。
- 解答
- 2
問34
甲マンション管理組合の平成22年度(平成22年4月1日~平成23年3月31日)の決算に当たって、会計担当理事が取引銀行から平成22年度末の預金残高証明書を入手したところ、銀行預金の帳簿残高と預金残高証明書の証明金額が不一致であった。この原因は、組合員Aから入金された平成23年3月分と4月分の管理費計20,000円が入金処理漏れとなっていたためであるということが判明した。Aの3月分の管理費10,000円については未収金を計上していたが、この後、管理組合が平成22年度決算を進めるに当たっての修正仕訳として適切なものは次のうちどれか。なお、会計処理は発生主義の原則によるものとする。
- 解答
- 3
問35
甲マンション管理組合の理事会において、会計担当理事が平成22年度(平成22年4月1日~平成23年3月31日)決算の管理費会計の比貸借対照表について行った次の説明のうち、収支報告書又は貸借対照表に関する説明として適切でないものは、次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。
1 現金預金が減少していますが、前受金が減少したこととは関係ありません。
2 平成22年度収支報告書の当期収支差額はプラスです。
3 未払金を減少させたことは、正味財産の増加とは関係ありません。
4 未払金や未収金を増減させることにより、現金預金を増減させることは可能です。
- 解答
- 1
問36
マンションの建物(鉄筋コンクリート造)の調査・診断に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 外壁塗装の白亜化とは、エフロレッセンスと呼ばれ、下地のコンクリート中の石灰等が水に溶けて塗装の表面にしみ出したものである。
2 コンクリートのひび割れは、ひび割れ幅が0.3㎜以下であっても漏水や鉄筋腐食の原因となり得るので注意が必要である。
3 鉄筋のかぶり厚さの調査は、建物の耐久性(鉄筋の腐食の防止)、構造安全性(鉄筋とコンクリートの付着強度の確保)及び耐火性(鉄筋の温度上昇の防止)の診断を行うために重要である。
4 塗膜の調査において、クロスカット試験は、塗膜表面に格子状の切込み等を行って、塗膜の付着性を調査する。
- 解答
- 1
問37
マンションの建物の調査を行う場合の調査項目と使用する機器・道具等の組合せとして適切でないものはどれか。
1 鉄筋のかぶり厚さ――――――――電磁波レーダ
2 コンクリートのひび割れ幅――――クラックスケール
3 コンクリートの中性化の深さ―――フェノールフタレイン溶液
4 タイルの浮き――――――――――リバウンドハンマー
- 解答
- 4
問38
「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(平成20年6月国土交通省公表)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1 設備配管の修繕等において共用部分の修繕に伴って生じる専有部分の修繕工事は、長期修繕計画の対象に含まれない。
2 長期修繕計画の見直しは、大規模修繕工事の間隔に合わせて10年程度で実施することが望ましい。
3 長期修繕計画の作成(見直しを含む。)の推定修繕工事項目の設定は、建物及び設備の機能を新築時と同等水準に維持回復させる修繕工事を対象とし、免震工法等の耐震改修工事は対象としない。
4 修繕積立金の積立ては、計画期間に積み立てる修繕積立金の額を均等にする積立方式(均等積立方式)を基本とする。
- 解答
- 4
問39
マンションの維持管理に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1 住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」(マンション修繕債券積立制度)を利用できる管理組合の条件として、長期修繕計画が作成されていることや修繕積立金の滞納割合が10%以下であること等が挙げられている。
2 消防用設備等の点検における機器点検及び総合点検は、建築士又は建築物の昇降機以外の建築設備について国土交通大臣が定める資格を有する者(建築設備検査資格者)が実施しなければならない。
3 コンクリートの打継ぎ部や各種部材の接合部等のシーリング目地は、紫外線のほかに、地震、気温や日照等の影響を受けて劣化するので、必要に応じて打うち替かえを行う。
4 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」において、長期優良住宅の認定を受けた住宅は、認定を受けた計画に基づくメンテナンスを実施し、その記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクに保存しなければならない。
- 解答
- 3
問40
マンションにおける夏の節電対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 照明のこまめな消灯や間引きにより照度を下げることは節電につながるが、エアコンの電源の頻繁なオンオフは消費電力の増加になるので注意が必要である。
2 明るさがほぼ同じ白熱電球、電球形蛍光ランプ及びLED電球について、白熱電球を電球形蛍光ランプに交換することは、電球形蛍光ランプをLED電球に交換することより節電効果が小さい。
3 熱伝導抵抗の大きい断熱材や建具等により、住宅の断熱性能を高め熱の出入りを減少させることは、節電に有効である。
4 ベランダにゴーヤ等の植物を植えたり、カーテンや障子を閉めて、日射による熱負荷を減少させることは、節電に有効である。
- 解答
- 2