問11
下図のとおり、専有部分のある建物であるA~D棟等がある場合において、区分所有法の規定によれば、団地関係(この問いにおいて、区分所有法第65条の団地建物所有者の団体をいう。)はいくつ成立するか。ただし、規約に別段の定めはないものとし、団地関係は重層して成立するものとする。
1 二つ
2 三つ
3 四つ
4 五つ
- 解答
- 4
問12
甲マンション(管理者A)の1室は、マンション業者BからCに分譲され、1年後、Dに転売された。Dは譲受後すぐに入居したが、その際、BからCへの分譲時にすでに存在していた隠れた瑕疵を発見した。この場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 その瑕疵が共用部分にあるか、専有部分にあるか不明であるときは、共用部分にあるものと推定して、AがBに対して瑕疵担保責任を追及することとなる。
2 その瑕疵が専有部分にあるときは、DはCに対し、CはBに対し、瑕疵担保責任を追及することとなる。
3 Dは、Cの特定承継人として、直接、Bに対し瑕疵担保責任を追及することはできない。
4 その瑕疵が共用部分にあるときでも、Aは、法律上当然には、Cを代理して、Bに対して瑕疵担保責任を追及することができない。
- 解答
- 1
問13
甲マンションの管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)は、各戸の専有部分に立ち入り、専用使用権の設定されたベランダを修繕する予定であったが、301号室の区分所有者である一人住まいのAが、工事予定時期に長期に出張することになった。Aは、管理組合と協議し、301号室の鍵を出張期間中管理組合に預けることとした。この場合の預かったに関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aが出張している間に、Aの友人であるBが管理組合事務所を訪れ、「301号室の鍵を貸してくれ。」と言ってきたときは、管理組合は、Aに確認するまでもなく、Bに鍵を貸与しなければならない。
2 ベランダの工事の最中、管理組合は、301号室の鍵を側溝に落とし紛失してしまったが、その鍵を無償で預かっているときは、管理組合は鍵の交換等に要する費用は負担しなくてよい。
3 工事の着手が遅れ、Aが出張から戻った後にベランダの工事を行うことになったときは、管理組合は、工事の便宜のため、Aに断ることなく合いを作ることができる。
4 出張中に、AがCに301号室を譲渡した場合において、Cが鍵の返還を求めて訴えを提起した場合は、管理組合は、遅滞なくその事実をAに通知しなければならない。
- 解答
- 4
問14
甲マンションの202号室の区分所有者Aは、202号室(Aが専用使用権を有するベランダを含む。)をBに賃貸している。B宅を訪れたBの知人Cが、ベランダの手すりにつかまったところ、手すりと一緒に落下して負傷した。手すりの落下の原因は、ベランダの留め金部分の支持力の不足によるものであった。この場合の損害賠償責任に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できなければ、土地工作物の占有者としての損害賠償責任を負う。
2 Bは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できなければ、土地工作物の占有者としての損害賠償責任を負う。
3 甲マンションの管理組合は、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できたときは、土地工作物の所有者に代わって損害賠償責任を負う。
4 甲マンションの区分所有者全員は、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できたときは、土地工作物の所有者としての損害賠償責任を負う。
- 解答
- 3
問15
甲マンションの405号室の区分所有者Aが死亡し、子B及びCが405号室を共同相続する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、Aの遺言はないものとする。
1 B及びCの共有となった相続財産である405号室について、遺産分割の協議が調わないときは、B又はCは、その分割について、共有物分割の訴えを提起することとなる。
2 遺産分割の協議の結果、いったん405号室をB及びCの共有としたが、その後、Bの単独所有に変更し、CがBから代償金を受け取る場合は、再度の遺産分割の協議をしなければならない。
3 B及びCの共有となった相続財産である405号室について、Bが単独で相続し、Cに対して代償金を支払う遺産分割の方法は、調停又は審判の手続によらなければならない。
4 B及びCの遺産分割の協議中にCが405号室の共有持分権を第三者であるDに譲渡した場合、DがBとの405号室の共有関係解消のためにとるべき法的手続は、共有物分割の訴えの提起となる。
- 解答
- 4
問16
Aは甲マンションの201号室を所有しているが、同マンションでは、管理規約に基づいて、各区分所有者は総会の決議により定められている管理費を支払わなければならないとされている。ところがAは、この管理費を滞納している。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aの子B(40歳)が、滞納分の管理費額を管理組合の事務所に持参してきたので、理事長はこれを受領した。翌日、Aもこれを喜んでいる旨を管理組合に告げてきた。ところが、その後、AとBが仲違いし、Bは、管理組合に対してBが支払った管理費の返還を請求している。このとき、管理組合は返還に応じなくてよい。
2 Aが死亡し、Bが2分の1、C及びDがそれぞれ4分の1の割合で共同相続人となった。このとき、管理組合は、B、C及びDのいずれに対してもAが滞納している管理費の全額の支払を請求することができる。
3 Aは201号室を購入するにあたり、E銀行から融資を受け、同室にはE銀行のために抵当権が設定されその旨登記された。Aが融資金の返済を遅滞したため、E銀行はその抵当権に基づいて同室の競売手続をとった。この手続において、管理組合は滞納管理費分の金額について抵当権者に優先して配当を受けることができる。
4 管理組合は、1年前にAに支払を催促したが、それ以外には支払の催促等を行っていない。管理組合は、ついにAを相手取って滞納管理費の支払を求める訴えを提起したが、その訴訟において、Aは5年よりも前に発生した管理費債権については、すでに時効により消滅していると主張したが、10年以内に発生した管理費債権については支払請求が認められる。
- 解答
- 1
問17
不動産の登記情報の提供に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 当該不動産の利害関係者でない者は、不動産の所有権や所有権以外の権利についての登記事項証明書の交付を請求することができない。
2 不動産の所有権や所有権以外の権利について、現に効力を有する主要な情報のみを知るには、登記事項証明書の現在事項証明書や登記事項要約書の交付請求の方法によることができる。
3 登記事項証明書には交付年月日や登記官の認証文の記載があるが、登記事項要約書には交付年月日や登記官の認証文は記載されない。
4 登記事項証明書は、送付の方法により交付を請求することができるが、登記事項要約書は、送付の方法により交付を請求することができない。
- 解答
- 1
問18
新築住宅の売買において、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵(この問いにおいて「瑕疵」という。)があった場合に関する次の記述のうち、民法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律(この問いにおいて「品確法」という。)の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
1 品確法の対象となる新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例は、住宅の売買契約のみではなく、贈与契約にも準用される。
2 品確法により瑕疵担保責任を負う期間が引渡しから10年間であるとされた場合において、買主が当該建物を他に売り渡し建物の所有権を喪失したときでも、10年間の残存期間に限り、買主は、瑕疵担保責任を追及することができる。
3 品確法による売主の瑕疵担保責任は、買主に引き渡した時から10年間に限り負うものとされるから、買主が、瑕疵が存在したことを理由に契約に要素の錯誤があり無効であるとの主張も、この期間にしなければならない。
4 定められた権利行使期間内に瑕疵担保責任を追及するには、期間内に訴訟提起をするか、内容証明郵便により瑕疵担保責任を追及する旨を通知しなければならない。
- 解答
- 2
問19
マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業における権利変換計画に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 建替組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに組合員以外の施行マンション又はその敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。
2 建替組合は、権利変換計画について施行マンションの借家権を有する者から同意を得られないときは、同意を得られない理由及びその権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、権利変換計画の認可を申請することができる。
3 建替組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、建替組合は、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、当該議決があった日から2月以内に、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
4 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。
- 解答
- 2
問20
違反建築物等に対する措置に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな建築工事中の建築物については、緊急の必要があって通知、意見の聴取等の手続きによることができない場合に限って、これらの手続きによらないで、建築主、工事請負人又は工事現場管理者に対して工事の施工の停止を命ずることができる。
2 緊急の必要があり、特定行政庁より仮の使用禁止又は使用制限を受けた者は、当該命令を受けた日以後いつでも、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
3 特定行政庁は、違反建築物の除却を命じようとする場合において、過失がなくて当該建築物の除却を命ぜられるべき者を確知できず、かつ違反の放置が著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において当該建築物を除却することができる。
4 特定行政庁は、一定の建築物の敷地、構造、建築設備又は用途が、公益上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の所在地の市町村の議会の同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却等の措置を命ずることができる。
- 解答
- 2