平成26年度
管理業務主任者試験問題
平成26年12月7日
次の注意事項をよく読んでから、始めてください。
(注意)
1 これは試験問題です。問題は、1ページから34ページまで50問です。
2 試験の開始の合図と同時に、問題のページ数を確認してください。もし落丁や乱丁があった場合は、ただちに試験監督員に申し出てください。
3 解答は、別紙の解答用紙に記入してください。
4 正解は、各問題とも1つだけです。複数の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。解答は、解答用紙の注意事項をよく読み、所定の要領で記入してください。
5 問題中の法令等に関する部分は、平成26年4月1日現在で施行されている規定に基づいて出題されています。
問1
甲建物を所有するAが、同建物をBに売却する旨のAB間の契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 本件契約の締結後に、Aが、Cに甲建物を売却する旨の契約を締結し、Cに移転登記がなされた場合に、Cが、Aとの契約の締結時に本件契約があったことについて知っていたか、過失により知らなかったときには、Cは、甲建物の所有権の取得をBに主張することはできない。
2 本件契約がAB間の通謀虚偽表示により締結され、移転登記がされた後に、Bが、Cに甲建物を売却する旨の契約をCとの間で締結し、移転登記がされた場合に、Cが、Bとの契約の締結時に、本件契約が通謀虚偽表示によることを知っていたときでも、Aは、本件契約の無効をCに主張することはできない。
3 本件契約がCのAに対する詐欺によって締結された場合に、Bが、本件契約の締結時にその詐欺の事実を知っていたときは、Aは、本件契約を取り消すことができる。
4 本件契約を締結するに当たり、Bが、甲建物を乙建物であると誤認して買い受けた場合には、Bは、自らが甲建物を乙建物であると思ったことについて重大な過失があるときでも、Bに移転登記がなされていない限り、本件契約の無効を主張することができる。
- 解答
- 3
問2
マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下、「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の管理組合A(以下、本問において「A」という。)が、マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)B(以下、本問において「B」という。)の代理人と称するCとの間で管理委託契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、CはBから代理権を与えられていなかったものとする。
1 Bが、本件契約について、Cに対して追認したときは、Cは、当然に本件契約をAに対抗することができる。
2 Aは、Bに対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができるが、この場合において、Bがその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。
3 Aは、本件契約の締結の時においてCが代理権を有しないことを知らなかったときは、Bの追認がない間は、本件契約を取り消すことができる。
4 Bの追認は、別段の意思表示がないときは、第三者の権利を害さない範囲で本件契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
- 解答
- 1
問3
A、B、Cは、甲マンション内の一住戸(以下、本問において「本件専有部分」という。)を共同所有しており、その持分は、Aが2分の1、BとCがそれぞれ4分の1である。この場合に関する次のアからエの記述のうち、民法の規定によれば、誤っているもののみの組合せはどれか。
ア A、B、Cは、それぞれ自己の持分の多寡とは関係なく、本件専有部分の全部について等しく使用することができる。
イ Aが、本件専有部分を第三者に売却するためには、B又はCの同意を得なければならない。
ウ Bが、本件専有部分について自己の持分を放棄したときは、その持分はBの推定相続人に帰属する。
エ Cは、本件専有部分の保存行為を単独ですることができる。
1 ア・イ・ウ
2 ア・イ・エ
3 ア・ウ・エ
4 イ・ウ・エ
- 解答
- 1
問4
マンションの管理組合A(以下、本問において「A」という。)は、B会社(以下、本問において「B」という。)との間で、Bが、当該マンションの屋上に広告塔を設置して使用し、その対価として毎月5万円の賃料(以下、本問において「本件賃料」という。)をAに支払う旨の契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているもののみの組合せはどれか。
ア 本件契約は、土地や建物内の住戸の使用を目的とするものではなく、建物の一部である屋上部分の使用を目的とするものであるので、使用貸借である。
イ 本件賃料を第三者Cが支払う旨の契約は、AとCの間のみで締結することはできず、A・B・Cの三者間において締結されなければならない。
ウ 本件賃料を第三者Cも重畳的に負担する旨の契約は、Bの意思に反しても、AとCの間のみの契約で締結することができる。
エ AのBに対する本件賃料債権は、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
- 解答
- 1
問5
マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)が、Aの顧問弁護士B(以下、本問において「B」という。)との間で委任契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aは、Bが委任事務を処理するについて費用を要するときは、Bの請求により、その前払をしなければならない。
2 Bは、Aの請求があるときでも、遅滞なく委任事務の処理の状況を報告する必要はなく、委任が終了した後に、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
3 Aが破産手続開始の決定を受けたとき、又はBが死亡したときは、当該委任契約は終了する。
4 Bは、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
- 解答
- 2
問6
マンションの管理組合A(以下、本問において「A」という。)がマンション管理業者B(以下、本問において「B」という。)との間で管理委託契約を締結した事情の下での不法行為に関する次の各場合のうち、民法の規定によれば、Bが不法行為責任を負わないものはどれか。
1 Bの従業員が、Bの事業の執行について、Aの理事長と共に、Aの組合員(区分所有者)の名誉をき損した場合。
2 Bの従業員が、Bの事業の執行について、Aの組合員(区分所有者)以外の第三者に損害を与えた場合。
3 Bから再委託を受けた清掃業者の従業員が、Bの事業の執行について、Aの組合員(区分所有者)に損害を与えた場合。
4 Bがその従業員の選任及びその事業の監督について相当の注意をしていたにもかかわらず、当該従業員が、Bの事業の執行について、Aの組合員(区分所有者)に損害を与えた場合。
- 解答
- 4
問7
マンション標準管理委託契約書及びマンション標準管理委託契約書コメント(平成15年4月9日国総動第3号。国土交通省総合政策局長通知。以下、「マンション標準管理委託契約書」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 管理組合及びマンション管理業者は、マンションにおいて滅失、き損、瑕疵等の事実を知った場合においては、速やかに、その状況を相手方に通知しなければならない。
2 マンション管理業者が管理組合の組合員に対し、管理委託契約の定めに従った管理費等の督促を行っても、なお当該組合員が支払わないときは、その後の収納の請求は管理組合が行うものとし、管理組合がマンション管理業者の協力を必要とするときは、管理組合及びマンション管理業者は、その協力方法について協議するものとする。
3 マンション管理業者は、災害又は事故等の事由により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、管理組合の承認を受けないで実施することができる。
4 マンション管理業者は、管理事務を行うために不可欠な管理事務室の使用料及び管理事務室の使用に係る諸費用(水道光熱費、通信費、備品、消耗品費等)を負担する義務を負う。
- 解答
- 4
問8
マンション標準管理委託契約書における契約(以下、本問において「本契約」という。)の解除及び更新の定めに関する次のアからエまでの記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア 管理組合及びマンション管理業者は、その相手方が、本契約に定められた義務の履行を怠った場合は、相当の期間を定めてその履行を催告することはできるが、本契約を解除することまではできない。
イ 管理組合は、マンション管理業者がマンション管理業の登録の取消しの処分を受けたときは、本契約を解除することができる。
ウ 管理組合又はマンション管理業者は、本契約を更新しようとする場合、本契約の有効期間が満了する日までに、その相手方に対し、書面をもって、その旨を申し出る必要がある。エ 管理組合及びマンション管理業者は、相手方から本契約の更新について申出があった場合において、その有効期間が満了する日までに更新に関する協議がととのう見込みがないときは、本契約と同一の条件で、期間を定めて暫定契約を締結することができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
- 解答
- 2
問9
マンション管理業者の管理事務の対象となる部分に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。
1 専用使用部分(バルコニー、トランクルーム、専用庭等)については、管理組合が行うべき管理業務の範囲内においてマンション管理業者が管理事務を行う。
2 附属施設である塀及びフェンスは、管理対象部分に含まれない。
3 大多数の区分所有者がマンション外に住所地を有するリゾートマンションを管理事務の対象とする場合には、管理事務の対象となる部分に係るマンション標準管理委託契約書の定めを適宜追加、修正をすることが必要である。
4 共用部分の設備等の故障等発信機器やインターネット等の設備等が設置され、当該設備等の維持・管理業務をマンション管理業者に委託するときは、管理事務の対象となる部分に係るマンション標準管理委託契約書の定めを適宜追加、修正をすることが必要である。
- 解答
- 2
問10
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下、「区分所有法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 区分所有者が管理費を支払うべき期日に支払わなかった場合、規約に遅延損害金に関する定めがなくても、当該区分所有者に対し、年5分の割合による遅延損害金を請求することができる。
2 管理費を滞納している区分所有者から、マンションの専有部分を購入した者が、売買契約に際して、当該滞納者から「管理費の滞納分はない」旨を告げられ、それを信ずるについて過失がない場合でも、滞納管理費の支払義務を負う。
3 管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、共同相続人のうち当該滞納者の区分所有権を相続する者が確定するまでは、管理組合は滞納管理費の請求をすることができない。
4 管理費を滞納している区分所有者に対して内容証明郵便による催告を行い、その催告後6箇月以内に再び内容証明郵便による催告を行ったとしても、時効中断の効力を維持することはできない。
- 解答
- 3
管理業務主任者は安定した資格
管理業務主任者は、マンション管理会社において一定数配置する義務がある他、「重要事項説明」や「管理事務の報告」など有資格者しか行えない独占業務もあることから、これからも必ず必要とされる資格です。