問題 11
鉄筋コンクリート建築物の劣化調査診断に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 中性化による鉄筋の腐食の調査は、調査時点における中性化深さの測定値と鉄筋のかぶり厚さの両面から、実施する。
2 塩害の調査は、コンクリート表面の塩化物イオンの有無を測定し、現在又は将来における内部鉄筋の腐食状況を把握又は予測する。
3 アルカリ骨材反応の調査は、外観目視上の劣化状況や、変形・漏水などの調査により、アルカリ骨材反応の可能性があると判断された場合、必要に応じて調査を実施する。
4 一次診断におけるひび割れ調査は、主として直接目視によるが、状況に応じて望遠鏡等による間接目視を行う。
- 解答
- 2
問題 12
鉄筋の腐食と調査診断に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 開口部周辺など、特にかぶり厚さの確保が困難な部位は、劣化が確認されていない場合についても代表的な箇所を選定してできるだけ調査を行う。
2 非破壊試験によるかぶり厚さの調査方法として、電気化学的特性値測定法があげられる。
3 鉄筋の腐食度調査は、建物資料調査及び外観目視調査による劣化症状の観察により、鉄筋腐食の可能性があると判定された場合に実施する。
4 破壊試験の1つであるはつり調査では、鉄筋の種類と径並びに配筋状況等の複数の項目についても同時に把握することが可能である。
- 解答
- 2
問題 13
鉄筋コンクリート建築物の躯体補修に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 豆板補修において、大面積の場合は、表面を水で湿した後、パテ状工ポキシ樹脂を表面に充てんする。
2 リチウムシリケートを主成分とする薬剤を、既存塗膜の表面に塗布することで、コンクリートを中性からアルカリ性に回復させる工法がある。
3 コンクリートのひび割れ補修において、樹脂注入工法は、すべてのひび割れに問題なく適用でき、他の補修工法と比べ、長期の耐用年数が期待できる。
4 補修工事に既存塗膜の除去を超音波剥離(はくり)機で行うときは、施工能力に限界があるため表面のサンダー掛けが必要となる場合がある。
- 解答
- 4
問題 14
モルタル下地に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 コンクリート壁等で、ひずみ、不陸等の著しい箇所は、目荒し、水洗い等のうえモルタル又は下地調整塗材で補修し、原則14日以上放置する。
2 セメント混和用ポリマーは、一般にモルタルに混入することにより、伸び能力や曲げ及び引張性能を改善するが、耐透水性の向上は望めない。
3 コンクリート下地セメントモルタル1回塗工法は、仕上厚又は総塗厚は15mm以下とする。
4 コンクリート下地セメントモルタル3回塗工法は、1回の塗厚は10mm以下とする。
- 解答
- 1
問題 15
タイル仕上げやモルタル下地の劣化現象と主な要因に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 外壁タイル面に生じるひび割れの原因は、コンクリート躯体やモルタル下地にひび割れが発生し、それに伴って生じる場合がほとんどである。
2 タイル直張り壁面における、タイルに生じる浮きは、張付けモルタルと躯体コンクリート間で発生し、タイルと張付けモルタル間では発生しない。
3 モルタル下地の接着力は、コンクリート表面のごく薄い層の状態により影響を受ける。
4 ドライアウトを防ぐために用いる吸水調整材を下地に厚く塗ると、界面に連続したフィルムを作り、浮きの原因となる。
- 解答
- 2
問題 16
鉄筋コンクリート建築物の外装仕上げの補修方法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 塗装下地等モルタル塗のひび割れ補修において、ひび割れ部から漏水が見られる場合は、モルタル面の補修をする。
2 タイル張り仕上面に生じたひび割れで、下地に達するひび割れがある場合は、タイル張り仕上げを撤去しUカットシール材充填工法で補修する。
3 モルタル塗の浮きをアンカーピンニング部分工ポキシ樹脂注入工法で補修する場合は、特記がない場合9本/㎡とする。
4 タイル張り仕上げのタイル陶片の浮き補修は、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で行う。
- 解答
- 2
問題 17
建物周囲の外構の劣化現象に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 建物本体と建物周囲の地盤との接続部分は、地盤の沈下による建物本体の損傷が多い傾向となる。
2 雨樋は、硬質ポリ塩化ビニル管を使用しているので、敷地埋設部分が地盤沈下により破損する場合が多い。
3 駐車場部分に浄化槽や防火水槽等を設けた場合、この基礎部分の沈下量と周囲の地盤の沈下量が異なるので、舗装部分に亀裂や段差が生じやすい。
4 プロック塀や万年塀は、布基礎なので、不同沈下により稲妻状の大きな亀裂が生じることが多い。
- 解答
- 1
問題 18
建築用仕上塗材に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 建築用仕上塗材は、造形的なテクスチュアパターンを与えると同時に、必要に応じて着色・艶出しを行うため、主として吹付け、こて、ローラー塗り、又は、はけ塗りエ法により施工する。
2 ポリマーセメント系可とう形改修用仕上塗材(可とう形改修塗材C E )は、下地及び既存塗膜のひび割れに対する追従性、充てん性、及び既存塗膜との付着安定性がある。
3 薄付け仕上塗材は、樹脂リシンに代わり、セメントリシンが主流となっている。
4 複層仕上塗材は、「吹付けタイル」の通称で呼ばれ、マンションのコンクリート打放し外壁面に直接仕上げる代表的な仕上材として、最も多く用いられてきた。
- 解答
- 3
問題 19
塗装仕上げの劣化・調査診断に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 塗料や建築用仕上塗材における一般的な劣化現象は、塗膜の内部より生じて経時とともに塗膜表面へと進行していく。
2 亜鉛めっき鋼板素地の一般的な劣化現象として、塗膜欠損後、亜鉛めっき面が露出すると、はじめに亜鉛に赤錆が発生する。
3 事前調査とは、改修対象となる建物の塗装外壁等の部位の概要を把握することを目的として、建築物の規模・構造・用途・竣工後の年数・立地地域環境・施工会社・改修工事履歴等について、新築時の設計図書や施工計画書、施工要領書等を調査するものである。
4 調査診断結果の評価方法としては、外観(美装性)は対象とならず、塗り仕上げの目的となる躯体の保護性能を重視し、その劣化程度(デグリー)により判断する。
- 解答
- 3
問題 20
塗装仕上げの修繕設計と施工のポイントに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 金属仕上げ面の仕様選定時の検討事項として、既存塗膜がどのような役割を果たしているかを確認する。
2 既存塗膜の種類の判定は、現地での調査診断段階で判別する方が確実で望ましく、新築時の設計施工記録等で確認する必要はない。
3 既存塗膜の除去工法のうち超高圧洗浄は、脆弱素地の除去などに威力を発揮するが、既存塗膜の全面除去には向かない。
4 塗装の修繕設計における下地調整方法の選定は、素地の性能を確保するうえで重要であるが、塗装仕上げの耐久性や塗膜の性能の確保には影響しない。
- 解答
- 1