修繕積立金の適切な保管と運用方法
修繕積立金のペイオフ対策とは
修繕積立金の額は、1,000万円を超えることが多いため、保管に関しては「ペイオフ対策」を検討する必要があります。ペイオフとは、万が一金融機関が破綻した場合に、預金者一人に対して1,000万円までの元本とその利息までしか保護されない制度のことです。
ペイオフ対策1│決済用普通預金に変更
決済用普通預金とは、預金の全額が保護される普通預金です。決済性預金口座に修繕積立金を保管することで、万が一金融機関が破綻しても1,000万円以上の分について全額が保護されます。決済性預金口座には利息が付きませんが、現在では、普通預金口座の利息も微々たるものですので、決済性預金に変更することも有効といえます。
ペイオフ対策2│複数の金融機関に口座開設
1つの金融機関に1,000万円を超える預金は保護の対象とならないため、複数の銀行に定期預金口座を開設します。普通預金よりは、利息を多く受け取れますが、デメリットとしては、複数の金融機関の扱いになるため、理事長の交代時に代表者変更手続きが面倒になる他、残高証明書の発行手数料などの費用負担が増します。
「マンションすまい・る債」での運用
「マンションすまい・る債」は住宅金融支援機構が発行する債券ですが、その成り立ちから運用面では比較的安全といえます。預金以外で修繕積立金の預け先の有力な候補となるでしょう。住宅金融支援機構が国の認可のもとに年に1 回発行する債券で、管理組合はこれを購入します。金融機関に比べると金利が高く、毎年利息を受け取ることができます。10年間、継続的に積み立てることが前提ですが、債権を中途換金しても元本割れはありません。
共用部分の管理組合向け積立保険
マンション管理組合の共用部分向けの保険には「積立型」と「掛捨て型」があります。掛捨て型の損害保険に加入している場合には、積立型の保険に変更する方法もあります。積立型の保険は、契約満了時に満期返戻金が支払われますが、万が一保険会社が破綻した場合には元本は保証されません。