合格基準点 ; 50問中 37問正解 (試験の一部免除者 45問中 32問正解)
令和2年度
管理業務主任者試験問題
令和2年12月6日
次の注意事項をよく読んでから、始めてください。
(注意)
1 これは試験問題です。問題は、1 ページから33ページまで50問です。
2 試験の開始の合図と同時に、問題のページ数を確認してください。もし落丁や乱 丁があった場合は、直ちに試験監督員に申し出てください。
3 解答は、別紙の解答用紙に記入してください。
4 正解は、各問題とも1 つだけです。複数の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。
解答は、解答用紙の注意事項をよく読み、所定の要領で記入してください。
5 問題中の法令等に関する部分は、令和2年4月1日現在で施行されている規定に基づいて出題されています。
問 1
土地甲を所有するAが死亡した場合に、甲の相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、Aには配偶者B、子C、直系尊属の父Dのみがいるものとする。
1 AとCは同乗する飛行機の墜落事故で死亡したが、AとCのどちらが先に死亡したか明らかでない場合は、Dの相続分は2分の1である。
2 Aが死亡した後に、Cが交通事故で死亡した場合には、Bのみが甲を相続する。なお、Cには配偶者及び直系卑属はいないものとする。
3 Aが死亡する前に、Cが交通事故で死亡していた場合には、Bの相続分は2分の1である。
4 BとCが法定相続分に従い甲を共同相続したが、その後、Cが甲の共有持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。
- 解答
- 2
問2
マンションの区分所有者Aは、リフォーム会社Bとの間で、住戸内の浴室をリフォームする内容の請負契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結したが、この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Bの施エミスにより浴室から水漏れが生じていても、修補が可能な場合には、AはBに対して、直ちに代金減額請求をすることはできない。
2 Bの工事完成前に、Aが破産手続開始の決定を受けたときは、B又は破産管財人は、本件契約の解除をすることができる。
3 Bが本件契約内容に適合した工事を完成させた場合であっても、Aは、Bに生じる損害を賠償すれば、本件契約の解除をすることができる。
4 Bの工事完成後に、完成品に本件契約内容との不適合があることをAが知った場合には、AはBに対し、その時から1年以内にその旨を通知しなければ、追完請求としての修補請求をすることはできない。
- 解答
- 3
問3
Aが所有するマンションの一住戸甲の売却に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 成年被後見人であるAが、甲を第三者に売却した場合に、Aが成年後見人Bの事前 の同意を得ていたときは、Aは、甲の売買を取り消すことができない。
2 行為能力者であるAが、Cを代理人として甲を第三者に売却した場合に、代理行為の時にCが被保佐人であったときは、Aは、Cの制限行為能力を理由に、甲の売買を取り消すことができる。
3 被保佐人であるAが、保佐人Dの同意を得ることなく甲を売却した後に、相手方がAに対し、1箇月以上の期間を定めて、Dの追認を得るべき旨の催告をした場合において、Aがその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、Dがその行為を追認したものとみなされる。
4 被保佐人であるAが甲を売却しようとした場合に、保佐人であるEが、Aの利益を害するおそれがないにもかかわらずこれに同意をしないときは、家庭裁判所は、Aの請求により、Eの同意に代わる許可を与えることができる。
- 解答
- 4
問4
マンションにおいて不法行為が発生した場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
1 マンション甲の管理組合法人でない管理組合Aから甲の外壁の修繕工事を依頼された施工会社Bの従業員Cが、建物の周囲に足場を組んでいたところ、その部品が外れて落下し、通行人Dが負傷した場合には、Aが損害賠償責任を負う。
2 マンション乙の外壁のタイルが落下し、通行人Eが負傷した場合には、管理組合法人FがEに対して負う損害賠償債務は、EがFに損害賠償を請求した時点で履行遅滞になる。
3 マンション丙において、区分所有者Gが所有し、現に居住している専有部分に設置又は保存に瑕疵があり、それにより他人に損害が発生した場合には、当該瑕疵が丙の建築工事を請負った施工会社Hの過失によるものであっても、Gは損害賠償責任を免れない。
4 マンション丁において、区分所有者Iの17歳の子Jが、丁の敷地内を自転車で走行中に不注意で他の区分所有者Kに衝突し、Kが負傷した場合には、KはIに対して損害賠償を請求することはできるが、Jに対しては、原則として損害賠償を請求できない。
- 解答
- 3
問5
Aがマンション管理業者Bの代理人と称して、マンション甲の管理組合Cとの間で管理委託契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結したが、Aは代理権を有していなかった場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 CがBに対し、相当の期間を定めて、その期間内に本件契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をしたが、当該期間内にBから確答を得られなかった場合には、 Bは、追認をしたものとみなされる。
2 Cは、本件契約の締結時に、Aが代理権を有していないことを知らなかったときは、Bが追認しない間は、本件契約を取り消すことができる。
3 Bが本件契約の追認を拒絶した場合には、Cは、Aに対し、Cの選択に従い、損害賠償の請求又は契約の履行を請求することができる。
4 Aが本件契約の締結時に制限行為能力者であった場合に、Aの代理行為が制限行為能力を理由に取り消されたときは、CはAに対し、無権代理人の責任を追及することができない。
- 解答
- 1
問6
マンションの管理組合Aとマンション管理業者Bとの間の管理委託契約が、Aの責めに帰する事由がなく、Bの債務不履行を理由として解除された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aは、この解除の意思表示を撤回することができない。
2 AB間の管理委託契約の解除により、Bが、Aに対して、受領した金銭を返還する義務を負う場合は、Bは受領した金額を返還すればよく、利息を付す必要はない。
3 Bの債務の全部が履行不能である場合には、それについてBの責めに帰する事由がないときでも、Aは直ちに管理委託契約を解除することができる。
4 Bの債務の履行不能が一部である場合であっても、残存する部分のみでは契約の目的を達することができないときは、Aは契約の全部を解除することができる。
- 解答
- 2
問7
次のア~エの記述のうち、標準管理委託契約書の定めによれば、適切なものはいくつあるか。
ア 管理組合及びマンション管理業者は、その相手方が、本契約に定められた義務の履行を怠った場合は、直ちに本契約を解除することができる。
イ 管理組合は、マンション管理業者が破産手続開始、会社更生手続開始、民事再生手続開始の申立てをしたときは、本契約を解除することができる。
ウ 管理組合は、マンション管理業者がマンション管理適正化法の規定に違反し、マンション管理業の登録の取消しの処分を受けたときは、本契約を解除することができる。
エ 管理組合及びマンション管理業者は、その相手方に対し、少なくとも一月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
- 解答
- 2
問8
次の記述のうち、標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。
1 マンション管理業者は、建物・設備管理業務の全部を第三者に再委託することはできない。
2 マンション管理業者は、管理事務を第三者に再委託した場合においては、再委託した管理事務の適正な処理について、管理組合に対して、責任を負う。
3 マンション管理業者が管理事務を第三者に再委託する場合、管理委託契約締結時に再委託する管理事務及び再委託先の名称が明らかなときは、事前に管理組合に対して通知することが望ましい。
4 マンション管理業者が管理事務のうち管理費等の収納事務を集金代行会社に再委託する場合、当該事務は極めて重要であることから、再委託する管理事務及び再委託先の名称を、事前に管理組合に対して通知すべきである。
- 解答
- 1
問9
マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整の業務に関する次のア~エの記述のうち、標準管理委託契約書の定めによれば、適切なものはいくつあるか。
ア マンション管理業者は、管理組合の長期修繕計画の見直しのため、管理事務を実施する上で把握した本マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容、実施予定時期、工事の概算費用等に、改善の必要があると判断した場合には、書面をもって管理組合に助言する。
イ マンション管理業者が、管理組合の委託により、長期修繕計画案の作成業務及び建物・設備の劣化状況等を把握するための調査・診断を実施し、その結果に基づき行う当該計画の見直し業務を実施する場合には、管理委託契約とは別個の契約にすることが望ましい。
ウ マンション管理業者は、管理組合が本マンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検等。)を外注により、当該マンション管理業者以外の業者に行わせる場合の見積書の受理、発注補助、実施の確認を行う。
エ 「大規模修繕」とは、建物の全体又は複数の部位について、修繕積立金を充当して行う計画的な修繕又は特別な事情により必要となる修繕等をいう。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
- 解答
- 4
問10
マンション甲の管理組合の理事長兼管理者Aが、甲の管理費を滞納する区分所有者Bに対して、滞納管理費の請求訴訟を提起する場合に関する次の記述のうち、民事訴訟法及び裁判所法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aは、裁判所に対して訴えを提起する前に、Bに対して内容証明郵便による催告を行うことが必要である。
2 Bが行方不明である場合であっても、AがBに対して裁判所に訴えを提起することはできる。
3 Bの滞納額が140万円を超えない場合は、Aは、簡易裁判所に対して訴えを提起することができる。
4 Aが、裁判所に訴えを提起した場合に、Bが甲とは別の場所を生活の本拠としているときは、裁判所からのBへの訴状は、Bが生活の本拠としている住所に送達される。
- 解答
- 1