管理会社を変更する「メリット」と「デメリット」とは
マンションの管理の状況に満足がいかない場合には、管理業務を委託するマンション管理会社を変更する選択肢もあります。しかしマンション管理会社の変更は「メリット」がある反面、「デメリット」やリスクも多いため「管理会社の変更」は慎重に検討をおこなう必要があります。まずは、理事会が中心となって、現行の管理会社への「不満」や「問題点」を明確にした上で、本当にっ管理会社の変更が必要であるか判断する必要があります。
マンション管理会社を変更するメリット
一般的にマンション管理会社の変更に最も期待することは管理委託費の削減です。マンションの分譲時にはデベロッパー系列の管理会社が管理することが決まっていることが多いため、一般的には管理委託費は高めに設定されています。そこで「独立系の管理会社」も含めた複数の管理会社から相見積りを取得して、競争原理を持ち込むことで管理委託費用の削減が可能となります。
メリット1│管理会社変更で管理費が下がる
分譲当初から管理会社に支払う管理委託費の「減額交渉」や「仕様の見直し」をおこなったことがない場合には、管理会社を変更することによってかなりの確率で管理委託費の削減が可能です。毎月、管理組合が各区分所有者から徴収している管理費の支出で最も大きな割合を占めるのは管理会社への支払い(管理委託費)ですので、管理会社を変更することで結果として管理費の削減につながります。
メリット2│管理業務の仕様が適切か確認できる
分譲時からマンション管理会社の「業務仕様」や「費用」について確認や見直しをおこなったことがない場合には、管理会社の変更は、自分たちのマンションの管理業務を見直す良い契機となります。管理組合が管理会社変更を慎重に検討していく過程で、結果的にマンション管理会社の変更を取りやめたとしても、複数の管理会社から管理組合にあった管理業務の見直し提案を受けることは、今後の管理業務の適正化に寄与します。
メリット3│住人の管理に関する意識が向上する
マンション管理会社の変更を検討を過程で、説明会やアンケートの配布などがおこなわれるため、組合員のマンション管理に対する関心が高くなり、組合員のマンション管理に関する知識の向上にもつながります。管理会社変更を検討する中で、結果として変更に至らなかったとしても、マンションの運営に対して興味をもつ組合員が増えることは今後の管理組合運営のメリットとなります。
マンション管理会社を変更するデメリット
マンション管理会社を変更することで、管理委託費の削減は多くの場合達成できます。一方で管理のクオリティに関しては、必ずしも維持もしくは向上させることができないこともあります。新しい管理会社選びは、「費用面」だけではなくて「質」も重視していかないと、前の管理会社の方が良かったといったことにも成りかねません。
デメリット1│管理業務の質(クオリティ)の低下
これまでの管理委託契約書と同等・同一の管理仕様であっても、契約書に記載されない部分で業務の「内容」や「質」は、管理会社ごとに大きな差があります。必ずしも新しい管理会社の方がクオリティの高い管理をおこなうとは限りません。
デメリット2│管理業務の継続性が失われる
管理会社を変更する場合、新旧双方の管理会社による引継ぎが適切におこなわれないと「重要書類」や「共用部分の鍵」などの物品の紛失や、継続してきた審議事項(例えば、大規模修繕工事・管理規約の改正)などが停滞する恐れがあります。
デメリット3│理事会や住人間のトラブル
マンションの分譲以来、管理業務をおこなってきたマンション管理会社を変更することは、マンションの住人とって影響の大きい事柄であるため、新しい管理会社の選定に関して理事会へのクレームがあったり住人間の対立に発展することがあります。