大規模修繕工事の2つの方式
マンションの大規模修繕工事の進め方として、主に「設計監理方式」と「責任施工方式」の2つの方式があります。中規模~大規模なマンションでは「設計監理方式」、小規模なマンションでは「責任施工方式」が採用されることが多いようです。両方式には一長一短があるので、それぞれの方式のメリット・デメリットをよく理解した上で自分たちのマンションにあった方式を採用することが重要です。
大規模修繕工事の方式1│設計監理方式
設計コンサルタントの選定
設計コンサルタントの選定にあたっては、1社を指名する場合、複数の候補から選定する場合がありますが、後者の場合には、公募などで複数の候補者を選びヒアリング等をおこなった上で候補者を選定する方法が一般的です。
大規模修繕工事の方式2│責任施工方式
また、責任施工方式の場合には、施工業者とのやりとりを直接、理事や修繕委員会のメンバーがおこなうことになるため、マンションの住人の中に、一級建築士など建築の知識がある方がいる場合は問題はありませんが、管理組合による理解が不十分な場合には、別途マンション管理士等の専門家の支援を受ける方法もあります。
施工業者の選定
施工業者の選定にあたっては、管理会社など特定の業者1社にはじめから任せてしまうこともできますが、少なくとも相見積もりを取るなど、競争原理を取り入れる必要があるでしょう。責任施工方式では、専門的な第三者によるチェックがないので、施工業者の選定方法と管理組合の体制が課題となります。
一方で、責任施工方式のメリットとしては、管理組合が、基本的に施工業者の1社とだけのやりとりですむため、連絡や意思疎通は容易におこなえます。また、発注までの流れが簡単なため、検討期間を短縮して素早く工事を始めることが可能となります。
このように、現状では分譲マンションでは、設計監理方式を採用することが主流となっていますが、責任施工方式にもメリットが数多くあります。
発注方式毎のメリット・デメリット
大規模修繕工事の発注方式にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、どちらを選択するのかは、管理組合毎に判断すべきことですが、平成30年度の国土交通省の発注方式についての調査では「責任施工方式」が44.7%と最も高く、次いで「設計・監理方式」が34.8%となっています。また、戸数規模別では、規模が大きくなるほど「設計・監理方式」の割合が高くなる傾向にあり、「20戸以下」では「責任施工方式」が54.1%ですが、151戸以上では「設計・監理方式」の割合の方が高くなり「501戸以上」では57.1%となっています。
メリット | デメリット | |
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設計監理方式 |
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責任施工方式 |
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