マンション駐車場の「サブリース」とは、駐車場の空き区画を駐車場サブリース会社が一括して借り受けて、住人以外のユーザーに転貸するサービスです。ご自身のマンションの駐車場はきちんと埋まっていますか?昨今では、駐車場の設置台数を減らしているマンションも増えてきていいますが、敷地内の駐車場の設置率が高いマンションでは住人の高齢化や車離れの影響もあって、駐車場の空き区画が増加して困っている管理組合も多いようです。今回は、このような管理組合で空き駐車場をサブリースして収益化する方法をご紹介していきます。
駐車場サブリースシステムの仕組み
マンションの駐車場のサブリースとは、駐車場サブリース会社がマンション管理組合所有の空き駐車場を一括して借り上げ、月々定額の賃料を支払うシステムです。
マンション管理組合で駐車場のサブリースが関心を集めたきっかけは、国税庁が平成24年2月13日付でマンショ管理組合が外部の方に駐車場を貸し出した際の課税対象を明確にしたことです。これまで課税対象があいまいでしたが「マンションの住人が駐車場を優先して使用できる」などの条件を満たせば、課税対象は外部に貸した部分だけに限られることになりました。
駐車場収益の課税
- マンションの居住者などと外部利用者が分け隔てなく、これを利用する場合は全て課税対象
- 両者を識別して、居住者などに優先利用権を与える場合は外部利用者のみ課税対象
- 工事などで1か月といった短期間、これを臨時に利用する場合などは課税対象外
マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について(照会)|国税庁
駐車場サブリースのメリット
マンションの駐車場をサブリースして外部に貸し出すことができれば収入面では大きなメリットになりますが、デメリットも存在します。ここからは管理組合が空き駐車場をサブリースする「メリット」と「デメリット」について考えていきます。
駐車場サブリースのメリット
駐車場の空き状況に関わらず安定した収入が保証されるのが一番のメリットです。また、駐車場サブリース会社が「利用者の募集」や「契約の締結や集金」「トラブル対応」などの運営代行をしてくれるため管理組合の手間はあまり掛かりません。また、マンションの住人が新たに車を購入するなどして、駐車場が必要になった場合には必要な台数分を返還する仕組みが一般的となっています。
駐車場サブリースのデメリット
空き区画の有無に関係なく一定の賃料を受け取ることができるサブリースですが、受け取れる金額は周辺相場の約半額程度になってしまいます。そして、駐車場を外部に貸して得た収入は収益事業として法人税などが課されるため税理士への報酬などを差し引くとさらに受け取り金額は少なくなってしまいます。したがって収益を得るには、マンションの立地が需要のある地域であることや、ある程度まとまった空き区画が欠かせません。
また、見ず知らずの駐車場の利用者がマンションの敷地内に立ち入ることになるために、セキュリティの面でも不安が残ります。
また、見ず知らずの駐車場の利用者がマンションの敷地内に立ち入ることになるために、セキュリティの面でも不安が残ります。
この記事のまとめ
マンションの住人だけでは駐車場が埋まらないため、管理費や修繕積立金の不足に悩む場合には、まずは、駐車場料金を下げて住人の利用率を上げる取り組みをおこなう取り組みをおこなうことが基本です。それでも機械式駐車場を持て余す場合には、将来を見据えて「駐車場のサブリース」や「駐車場の一部を撤去する」などの対策を検討する必要があるでしょう。駐車場のサブリース業に参入する企業が増えていますので、導入にあたっては複数のサブリース会社からの提案を受けて比較しながら、慎重に検討を進める必要があるでしょう。